バリウム検査は危ない」岩澤倫彦著
健康診断で、苦手な人が多い検査といえばバリウム検査。胃がんの早期発見ができるならば多少のつらさは仕方がないが、実はバリウム検査での胃がん発見の精度は低く、見逃し率は45%ともいわれている。
がんが見つかりにくいだけではなく、バリウムによって大腸などに穴が開く消化管穿孔(せんこう)が起きたり、腸閉塞や人工肛門に至る事故も起きているという。
このような検査が、なぜ当然のように行われているのか。その背景には、巨大な利権があると本書は指摘。検査を推奨しているのが、厚労省や自治体の天下り組織であるという事実を明らかにしていく。いまや先進国でバリウム検査を続けているのは、何と日本だけ。事実を知らないままでは、命が危ない。
(小学館 1200円+税)