「希望ヶ丘の人びと(上・下)」重松清著
田島は、中3の娘・美嘉と小5の息子・亮太とともに40年前に開発された希望ヶ丘に引っ越す。希望ヶ丘は、2年前に病死した妻・圭子が少女時代を過ごした町で、亮太は母親の面影を探し、彼女がかつて通った書道教室に入門する。塾の教室長に転職した田島だが、新学期から生徒は集まらず苦戦。おまけに仕事で出会ったクレーマーは、美嘉の同級生・宮嶋の母親だった。圭子と同級生だった宮嶋の父親の昔話が田島の神経を逆なでする。そんな中、田島は圭子の親友だった香織から亡き妻の初恋の人・エーちゃんの話を聞き、心穏やかでいられない。
名手がニュータウンを舞台に描くハートフルストーリー。(講談社 各740円+税)