「右だ」「左だ」のレッテル貼りに痛快な反論

公開日: 更新日:

 そうなのだ。世の中の人が勝手にさまざまなイシューを「右左」に分け、それに従って「サヨク」や「極右」などとレッテル貼りをする状況が昨今のネットでは特に蔓延している。これが無駄な攻撃性を生み、集団で誰かを叩いたりする状況につながっているのだ。実にレッテル貼りはムダである。また、本書は安保法制に反対する学生グループ・SEALDsにも言及。とかく若者が政治に対して声を上げると、途端にわらわらと寄ってくるオッサンどもがいかにアホかを小気味よく切っていくさまも痛快である。結局、このオッサンどもは、自分のことを考えているのだと、数人の具体例を挙げ、喝破する。

〈未熟なリベラルは、すぐ未熟な若者にすり寄る。そうすればうまい汁が吸えて、自分たちが若くなった気になれるのかもしれない(中略)彼らが若者にすり寄ったところで、年寄りは年寄りであって、若返りの妙薬などないのだ!〉

 安保法制には反対であっても、一連の運動に若干のモヤモヤ感を覚えていた人、多分このあたりのオッサンのカッコ悪さを感じていた人には腑に落ちる内容である。★★★(選者/中川淳一郎)

【連載】週末オススメ本ミシュラン

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…