「完治をめざす『がん治療設計』」石井光著、藤井真則監修
がんは不治の病ではなくなりつつあるが、発症しても“ほぼ助かる”といえるのは限局性の早期がんに限られており、実は遠隔転移がんの生存率は10年前と比べてもほとんど改善されていない。飛び散ってしまったがんは、保険診療で受けられる手術・放射線・抗がん剤という標準治療では、延命効果しかもたらさないのが現実だ。
そこで完治を目指すために必要なのが、標準治療に自由診療を組み合わせる「治療設計」を立てること。本書では、標準治療と組み合わせることで効果を高める自由診療を紹介している。
手術に加え、体外で増殖させた免疫細胞を点滴するANK療法という自由診療を行って肝細胞がんを克服した患者など、実際の治療設計を例に挙げながら分かりやすく解説していく。
(幻冬舎 1300円+税)