「雇用崩壊」森永卓郎氏

公開日: 更新日:

安倍政権が庶民に向かって放つ3本の毒矢。それは(1)派遣法改正(2)ホワイトカラー・エグゼンプションの導入(3)解雇規制緩和という制度変更です。(1)は、ひとたび派遣労働者になると二度と正社員には這い上がれない恐ろしい改正ですが、すでに正社員として働いている方には関係ないと思われがちです。しかし、(2)と(3)に関しては、今まで順風満帆に働いてきたサラリーマンにも、確実に牙をむきます」

 (2)は高度プロフェッショナル労働とも呼ばれ、管理職になる前のサラリーマンを、労働時間ではなく成果で評価する制度だ。安倍政権は、労働者が時間に縛られずに働ける仕組みと説明するが、現実は違う。残業代を支払わずに無制限の労働を強要できるため、労働者はボロ雑巾になるまで酷使される。

 政府は適用対象を平均年収の3倍にあたる1075万円以上としているが、アメリカではすでに年収238万円までに適用が引き下げられている。日本でも、すぐに一般サラリーマンにまで悪影響が及ぶだろう。

「すでに管理職にあるので逃げ切れたと思う方もいるでしょう。しかし、安倍政権の庶民いじめはそんなに甘くはありません。(3)の解雇規制緩和では、たとえ裁判で不当解雇の判決が出ても、企業が一定の金銭を支払えば解決できるようになります。つまり100万円程度の“手切れ金”で、誰でもいつでも解雇されるリスクにさらされるわけです」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇