「ミッドナイト・ジャーナル」本城雅人著
中央新聞さいたま支局の関口の記事に、デスクは「不明女児、遺体発見か」という見出しをつけて送った。だが、3人目の女児は無事発見され、大誤報となった。2人の女児を殺害した犯人はやがて逮捕され、処刑された。
7年後、再び女児連れ去り未遂事件が起きる。犯人は2人組と聞いて、かつての女児殺害事件の記事に2人組の犯行と書いたのに誤報騒ぎでうやむやになったことを関口は思い出した。あの事件には共犯者がいたのでは? 助かった女児の家族の心を誤報で傷つけたことを悔やみながらも、関口は過去の事件を洗いなおす。
記者歴20年の著者が報道のあり方を問いかける社会派ミステリー。(講談社 1600円+税)