「夫以外」新津きよみ著
若いときから何かに夢中になったことがない聖子は、友人の紹介でお見合い結婚。恋愛感情も湧かなかったが、一緒に暮らすうちに夫に愛着は生じてくる。
子供が生まれれば子育てに夢中になれるかと思ったが、子宝に恵まれず、不妊治療にも夢中になれなかった。2人で穏やかに暮らしていたが、聖子が48歳のときに夫が急死。遺産の法定相続人は聖子と夫の亡妹の息子だけだった。今まで会ったこともない甥の一樹に手紙を送るが返事はない。申告期限が迫る中、専門家に交渉を依頼しようと決めた直後、一樹が訪ねてきた。顔を合わせた瞬間、聖子は自分がこの青年にハマってしまったことを悟る。(「夢の中」)
大人の女たちを主人公にしたミステリー集。(実業之日本社 593円+税)