「心に緑の種をまく-絵本のたのしみ」渡辺茂男著
児童文学者が3人の息子の子育て体験を交えながら、名作絵本45冊の魅力を紹介するブックガイド・エッセー。
3歳間近だった末っ子が、ある日、「家出」を決行、大騒ぎになったことがあったという。それは、お風呂が嫌で逃げ出す犬を主人公にした「どろんこハリー」の物語そのものだった。三輪車で出かけた三男は1・5キロ離れたスーパーで見つかった。その出来事から生まれたのが著者の「ぼく、パトカーにのったんだ」という物語だという。「親と子がよりそって体温を感じあい、絵をたのしみ、物語をたのしみ、語り合いながら過ごしたひとときは、親として二度と持つことのできない至福の時間」と著者は言う。
イクメンの必読書だ。(岩波書店 1220円+税)