「進化の不思議がわかる本」気になる4冊
「日本人の起源」山崎茂幸著
市井の研究者が、弥生時代に在来の南方系縄文人が稲作技術を持つ北方系の渡来人に置き換わったという定説に異を唱え、日本人の起源について考察した研究書。
著者によると、アフリカから拡散してさまざまな人種に分かれた現生人類が4万年前の旧石器時代に大陸と地続きだった日本で再集合。
2.5~1.7万年前の最終氷期最寒冷期(LGM期)に極寒に耐えかねてバイカル湖近くから避難してきた北方系の集団がそこに流入後、水位の上昇で対馬海峡ができ、日本は孤島となった。そのため、置換されたとする弥生時代にはヒトの流入は少なく、人種構成的には縄文人はすでに南方系と北方系の混合集団で、彼らが弥生人となり、現代人になったという。
DNAや直近10万年間の地理や環境の変化を検証しながらその仮説を立証していく。(幻冬舎 1200円+税)