「疑薬」鏑木蓮著
継父・誠一の経営する居酒屋「二歩」で働く生稲怜花。ある日、雑誌記者の矢島から「お母さんの失明の原因を調べています」と言われた。
怜花の母・怜子はプロの三味線弾きだが、10年前、インフルエンザの治療で失明した。
矢島から大阪の有料老人ホームでインフルエンザの死者が出たという新聞記事を見せられたが、その施設の顧問医師は怜子の治療をした三品元彦だった。使われた抗インフルエンザ薬も同じものだった。
そして三品病院にいた治験コーディネーターの駒野浩美が行方不明になった。駒野は老人ホームのことで何かを知っていると矢島は言うのだ。
新薬の副作用をめぐる医療ミステリー。(講談社 1600円+税)