「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」森功著
俳優・高倉健の私生活は謎に包まれているが、最後の謎が、死後に突然現れた養女の存在である。高倉健が死んだとき、その密葬を取り仕切ったのは養女を名乗る小田貴(たか)という女性だった。高倉健の妹や甥、姪は知らせを受けなかったため、葬儀には誰も出席していない。
高倉プロの専務だった日高も火葬に立ち会えなかった。入籍申請書類の保証人になっているが、日高は何も書かれていない白紙の申請書に、頼まれてサインしたという。高倉の本名は「小田剛一(タケイチ)」なのに、申請書には「ゴウイチ」と振り仮名が書いてあった。
貴は40億円の遺産を相続した後、高倉の愛車を売り払い、自宅を取り壊す……。高倉健の人生の7つの謎に迫るノンフィクション。
(講談社 1600円+税)