「ねこ町駅前商店街日々便り」柴田よしき著
柴山電鉄根古万知線の終着駅、根古万知駅が無人駅になった。駅長が退職した後、後任が心筋梗塞で倒れてしまったのだ。
さびれた駅前商店街の福々軒の娘・愛美は離婚して戻ってきて喫茶店で働いていたが、あるとき、猫を飼ってくれと頼まれる。友人のおじいさんが拾ってきたが、おばあさんが猫アレルギーで飼えない。だが、この猫は50年以上前、おじいさんの命を救った恩猫だというのだ。ノンちゃんと名づけられた猫に、柴山電鉄70周年感謝デーの一日駅長の話が舞い込んだ。駅に行ったら、ノンちゃんの周りはすごい人だかりになっている。不思議な猫が現れたのをきっかけに、寂れた商店街が再生する物語。
(祥伝社 1850円+税)