「住まいで『老活』」安楽玲子著
高齢者の大半は、介護が必要になってもそのまま自宅で暮らしている。しかし、在宅介護現場の大きな問題は、荷物が整理されず、設備も古いまま、暑さ寒さに耐えながら暮らす人が多いことだ。在宅での療養、介護はバリアフリー化されていることが基本だが、当事者の高齢者には家のリフォームや片付け、暮らしの見直しに思いが及ばず、それを実行する力もない。家族機能が低下した世帯も増え、これまで同様の在宅ケアの実態が続くなら、介護の重度化によって家で暮らすことが難しくなる人は確実に増える。本書では、こうした状況を防ぐため、リフォームや福祉用具の活用で「住まいの介護力」を高め、自宅で暮らしながら病気や要介護となるリスクを軽減する方法を伝授する。
(岩波書店 820円+税)