「言論の飛礫」鎌田慧著
「第1の8時間は仕事のため、第2の8時間は休息のため、そして残りの8時間は、俺たちの好きなことをするために」は、132年前のシカゴの労働者のスローガンだが、現在の日本で「残りの8時間」を一体どれだけの人が楽しんでいるのか。 日本の大企業では過労死や過労自殺は珍しくない。それなのに安倍首相は自由契約を思わせる「裁量労働制」を導入しようとしたが、過労死した人の家族からの涙の訴えで延期となった。だが、首相はまだ「高度プロフェッショナル制度」に執心している。それはかつて挫折した、労働時間の規制免除狙いの「ホワイトカラーエグゼンプション」を衣替えしただけだ。(「働き方改悪」)
政財官の非道に対抗する鋭いエッセー集。
(同時代社 1600円+税)