「眩(くらら)」朝井まかて著

公開日: 更新日:

 絵師・北斎を父に持つお栄は、物心ついたときから絵筆を握ってきた。同業の男と所帯を持ったものの、お栄の頭のなかには絵のことしかなく、やがて離縁。出戻って父の工房で働きながら、自分らしい絵、自分にしか描けない色を求めて模索を続けるが、思うような絵はなかなか描けない。

 そんなある日、お栄は「八犬伝」の挿絵で売れっ子に名を連ねる兄弟子の善次郎(渓斎英泉)もまた、「北斎の再来」以上の存在になれないことに苦しんでいることを知る。数日後、長崎の阿蘭陀商館で働く絵師・川原が工房を訪ねてくる。川原は、阿蘭陀国からの注文だといって、北斎に江戸市中の暮らしを「西画」で描いてほしいと言い出す。

 女絵師・葛飾応為の生涯を描く時代長編。 (新潮社 710円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭