「つくもがみ笑います」畠中恵著

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 根付けの猫が年を経て付喪(つくも)神になった猫神。その猫神が居着いている古道具屋兼損料屋の出雲屋に、「大江戸屏風(びょうぶ)」という立派な屏風が持ち込まれた。旗本の篠崎家が徳川家から拝領したものだが、篠崎家でボヤが出て、大工が出入りする間、出雲屋に預けるという。

 ところが、屏風から鼠(ねずみ)の声がする。旗本の蜂屋が篠崎家で屏風を見ていた時、腰に着けていた根付けの利休鼠が篠崎家の猫に追いかけられ、その猫ともども屏風の中に飛び込んでしまったらしい。猫神が利休鼠を助けるために他の付喪神とともに屏風に飛び込むと、そこは200年前の江戸の町だった。(「二百年前」)

 好奇心旺盛な付喪神たちが活躍する短編時代小説6編。

(KADOKAWA 1400円+税)

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