「違和感のススメ」松尾貴史著
松尾貴史は最近、目にすることが増えた「反日」という表現に違和感を覚えている。政権に都合の悪いことをしゃべると、ネットなどで「反日芸人」と誹られるようになったのだ。
芸人というのは唯一、権力者に対する失礼な言動が許される者だったのに。政権に批判的だとなぜ「反日」になるのか。
国にとって最も大切なのは国民なのに、その国民の多数が反対していることを政権が屁理屈で押し通そうとする方が、よほど反日的行為ではないか。
自分とは違う意見を「反日」と呼ぶことで封殺して、異論を唱えさせないムードが広まっているのでは。(「反日」と誹られて)
権威を疑う松尾貴史の辛口エッセー。立川志の輔との対談も収録。
(毎日新聞出版 1400円+税)