「酒呑みに与ふる書」キノブックス編集部編

公開日: 更新日:

 ボードレールは、時の恐るべき重圧を感じないために、つねに酔うことが必要だ、葡萄酒に、詩に、または美徳に、なんでもあなたの好きなものに(井上究一郎訳)と詠んだ。

 中島らもは10代の頃から、自分自身も自分がその一隅を占めている世界も、醜悪で愚かで腐臭を放っていると考えて、憎み、呪っていた。酒の酔いはらもにとって、「自分の精神の欠落した部分にあつらえたようにぴったりとはまり込んで、空無のところを埋めてくれる」ことに気づいた。泥酔してぶっ倒れる瞬間は、夜ごとに訪れる小さな「ビッグ・バン」だったのだ。

 他に、角田光代、筒井康隆ら、45人が陶酔と覚醒について語った詩やエッセーなどを収載。

(キノブックス 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭