「かたつむりがやってくる」森沢明夫著
珠美は、起業のため親に無断で大学を退学。故郷の青羽町に戻り、買い物弱者の老人のために移動販売をするつもりだ。しかし、父親の正太郎が手術を受けることになり、打ち明けるタイミングを失ってしまう。
母親の絵美は7年前に交通事故で亡くなり、居酒屋を営む正太郎は3年前にフィリピン人のシャーリーンと再婚していた。手術に付き添うため帰省した珠美は、幼馴染みで家業の自動車修理工場を継いだ壮介や、ドライブインを営む実家で引きこもり中の真紀らに協力を求める。そもそも珠美が移動販売を始めようと思ったのは、同じ町に住む母方の祖母・静子のためだった。
多くの人に支えられ、そして多くの人を元気にしていく珠美の奮闘を描くハートフルストーリー。
(実業之日本社 778円+税)