「脳の病気のすべて」角南典生著
脳の病気といえば、突然意識を失い倒れることが多いため、予告なしに襲われるものと思われがち。しかし、実際にはさまざまな兆候があるものだ。例えば、口を「いー!」と開いて笑顔がつくれない、両腕を前に突き出しても下がってしまう、「ラリルレロ」「パピプペポ」などが言いにくい。これら3つは脳卒中の前触れなので、すぐに病院に行くべきだと本書。
また、脳卒中の中でもくも膜下出血には激しい頭痛が起こるが、脳梗塞にはほとんど表れない。代わりに、視野の一部が暗く欠けたり、手や足で熱い・冷たいなどが感じにくくなる感覚障害が起こりやすい。これらを知っておけば、早めに病院を受診することができ、後遺症などのリスクを減らすことにもつながるはずだ。
(筑摩書房 1500円)