「美術展の都合な真実」古賀太著

公開日: 更新日:

 著者によると、日本の美術館や博物館、展覧会は国際的に見てかなり歪んでいるという。本書は、そんな美術展の裏側を明かす業界事情本。

 近年、話題の展覧会はどこも大混雑だが、年間の総入場者数は海外の美術館の方が圧倒的に多い。つまり海外では、美術館や博物館はその所蔵作品を見に行く場所だが、日本では国内外から作品を集めた企画展=一過性のイベントを見る場所になっているからだという。企画展でも、なぜ個展ではなく、海外の大美術館の所蔵品を展示する「○○美術館展」が多いのか。それらの企画展を主催するのが新聞社なのはなぜか。そしてチケット代の利権構造まで。

 美術展の舞台裏を解説すると共に、足を運ぶべき美術館をアドバイスしてくれる美術ファン必読の書。

(新潮社 760円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出