「あいちトリエンナーレ『展示中止』事件」岡本有佳、アライ=ヒロユキ編

公開日: 更新日:

 あいちトリエンナーレ2019の一企画「表現の不自由・その後」は公共施設などで検閲・規制された作品を展示する企画だったが、3日後に中止に。菅官房長官による補助金不交付の示唆、河村名古屋市長による展示撤去の要請があったためだ。不自由展には日本軍の慰安婦となった韓国人女性を表現した「平和の少女像」などが展示されたが、国民の支持しない作品を展示するのはおかしいという。

 不当な攻撃により表現を奪われた者たちの表現の場・機会をつくることがコンセプトだったのに、津田大介芸術監督は「これだけの騒ぎになって、議論を喚起する目的は達した」と、出品作家に説明も相談もせず中止を決めた。美術展の「検閲」の実態をえぐる一冊。

(岩波書店 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…