「先祖返りの国へ」エンゾ・早川、エバレット・ブラウン著
ブラウンは19歳でインドに行ったとき、日本の寺で座禅会に参加して「日本の身体感覚」に出合い、関心をもった。2017年、箱根旧道の石畳の道を歩くのに適した履物を探していて、エンゾ・早川が作っていた足半(あしなか)を知る。足半は土踏まずまでしかなく、指やかかとがはみ出してしまう小さいわらじで、今では使っているのは長良川の鵜匠くらいだ。指がはみ出しているため、足指のセンサーが敏感になり、危ないときは自然に足が引っ込む。つま先から着地し、足裏全体で衝撃を吸収する。話題になったマラソンの大迫選手の「フォアフット走法」は、実は〈靴以前〉の日本人の走り方に先祖返りしただけではないのか。
対談で日本人の身体文化について語る。
(晶文社 1800円+税)