「信州・諏訪湖連続殺人 人情刑事・道原伝吉」梓林太郎著
松本署管内で、5歳の智則が保護された。刑事の道原らは、8日前に姿を消した智則の母親・未砂子の行方を捜す。32歳の未砂子は、離婚後、智則を一人で育てていたようだ。
智則はピアノの個人レッスンを受けていたようだが、講師が誰だか分からない。道原らが母子の家を調べると、ベッドの下から1億5000万円の入ったトランクが出てくる。やがて、金は諏訪市に住む精密機器メーカー創業者の息子で元夫の古屋が慰謝料として未砂子に渡したものだと分かる。未砂子には兄と妹がいるが、17歳で出奔した兄・哲哉の所在は分からない。
数日後、異臭騒ぎがあった空き家で未砂子の遺体が見つかる。検視の結果、首つり自殺を装った他殺と判明する。
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