「仕事のしぐさ図鑑」荒木シゲル著
プレゼンで必死に説明したのに伝わらない、誠心誠意謝ったのに余計に怒らせてしまった――もしかしたら、その原因は「非言語的コミュニケーション」だったかも知れない。
人の魅力や印象は、しぐさや表情、姿勢、声質などの非言語的コミュニケーションの影響を強く受ける。商談や交渉時、同じ内容の話をしたとしても、「非言語」部分がおろそかだと、「残念な人」と評価されてしまうのだ。
逆に非言語のしぐさでアピールできていれば、少ない言葉でも説得力が高まり、人間的にも高い評価を得ることさえある。
そんな非言語的コミュニケーションの実際を、「デキる人」と「残念な人」のしぐさを比較しながらシチュエーション別に解説するイラスト図鑑。
例えば交渉・営業の席で「相手を信頼させる手の置き方」。デキる人は、テーブルに肘をついた両手の指先部分を合わせて組む「尖塔のポーズ」で挑む。これで専門知識が豊富で威厳があるように見えるのだとか。
対する「残念な人」は時代劇の極悪商人のように手の甲や手のひらをさすったりする。これでは下品で落ち着かない、信用できないという印象を与えてしまうそうだ。
オンライン会議で失敗しないためのコツもある。そのひとつ「カメラとの距離をコントロールする」では、デキる人は話を聞く時はカメラから適度に離れ、自分が話すときや話したいと思ったタイミングで近づく。自分の姿の大きさをコントロールすることで意見を主張するのだ。
取引先などと向き合う社外編、対上司や部下など相手との関係で振る舞いが変わる社内編に分けて50ポイントを紹介。
知らずに「残念な」しぐさをしていることも多いはず。自称デキる人も残念を自覚している人も、得ること大のおすすめ本。
(ダイヤモンド社 1320円)