「遺伝子のスイッチ」生田哲著

公開日: 更新日:

 一卵性双生児は先天的な環境は同じでも後天的な環境は異なる。食事や運動などの生活習慣や、読む本、付き合う人によって遺伝子の働きは劇的に変わる。

 最近の研究により、遺伝子を「オン」にしたり「オフ」にしたりするスイッチが存在することが明らかになった。これを研究するのが「エピジェネティクス」という学問分野である。このスイッチは環境の変化に応じて変異を起こすことなく、遺伝子の使い方を変える点がユニークである。DNAにタグを付けたり外したりすることでオンとオフを迅速に切り替えるのだ。

 ヒトが環境に適応しなければならないとき、DNAの変化には数千年かかるので、変異より迅速に対応できるタグ活用が発明されたと思われる。

「うつ」や薬物依存と遺伝の関係などを、最先端の遺伝学で解き明かす。

(東洋経済新報社 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭