「源平妖乱 鬼夜行」武内涼著
父の無念を晴らし、闇の王となるために血吸い鬼となった平将門の娘・滝夜叉は、邪鬼・黒滝の尼として天下を恐怖に陥れる。しかし、承安5(1175)年、鞍馬山を出て影御先・八幡となった源義経との赤城山での戦いで手下のほとんどを失ってしまう。影御先とは古来、血吸い鬼を狩ってきた者たちだ。
平家に追われながら邪鬼を追う義経は、黒滝の尼に命を狙われる母親の常盤御前がいる京を目指す。同じころ、夜の洛中で邪鬼の暗躍を見張っていた半血吸い鬼で影御先の静と磯禅師の目の前で、鬼気が元の大蔵卿・藤原長成の屋敷に入って行った。常盤御前は清盛の命で、長成の妻となっていた。
義経、弁慶、木曽義仲らが結集し、血吸い鬼との最終決戦に挑む長編伝奇シリーズ第3弾。
(祥伝社 1089円)