「ゴルフ文化産業論」西村國彦著

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 ゴルフ会員権とは会員制のゴルフ場の利用権で、「○○ゴルフクラブ会員証書」と印刷された紙切れである。日本経済が高度成長に向かった時代、ゴルフを営業のツールとして使うようになった。会員権は値上がりし続け、ついに1000万円を超える。

 借入金で会員権を買う個人や法人も多かったが、バブルがはじけて100万円でも売れなくなる。かつて会員権の売却損は損益通算可能だったが、平成26年、財務省は損益通算制度を廃止、会員権は不良債権に。経営破綻するゴルフ場もあり、オーナーが代わると会員権も消滅する。著者はゴルフ場の競売を阻止して会員の権利を守るため、ゴルフ場につけられた抵当権設定時期とゴルフ場の倒産時期が重なっている点を突くという策をとる。ゴルフ好きの弁護士が文化産業という視点からゴルフを論じる。

(河出書房新社 1650円)

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