<68>瞼が大きく腫れあがり青黒い
遠泳訓練当日。
目覚まし時計を止めようとしたが、寝起きでピントがうまく合わない。隣の布団の彩子がびっくりした顔で桃地を見た。
「左目。大変なことになってるよ。お岩さんみたい」
両手をぶらっとさせて幽霊の真似をする。
桃地は寝ぼけ眼のまま、洗面所へ行…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,265文字/全文1,405文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】