「ファイナルオッズ」島田明宏著
中堅食品メーカーに勤務し、学生時代からの競馬ファンの太一は、休日、通いなれた中山競馬場で、同じ会社の社員・立花を見かける。
エリートコースを歩む立花と競馬場で出会うとは思いもしなかった太一だが、意外にも立花は払戻窓口で札束を受け取っていた。
その額およそ700万円。噂では、会社が副業を認めているため、立花は投資会社を設立して、自社株を10%も所有する大株主でもあるらしい。
仕事を通じて立花と親しくなった太一は、外資ファンドが自社を狙っていることを教えられる。立花は乗っ取りを阻止するために、10億円をつくらなければならないという。
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