「原爆投下、米国人医師は何を見たか」ジェームズ・L・ノーランJr.著 藤沢町子訳

公開日: 更新日:

 1946年6月17日、医学博士ジェームズ・L・ノーラン大尉は極秘の報告書を持って飛行機に乗り込んだ。ノーランは原爆の開発・製造計画であるマンハッタン計画に携わっていた。医師たちが原爆による放射線障害の危険性を報告していたが、マンハッタン計画は実行された。

 ノーランが広島で見たのはなにひとつない静寂と静止の世界だった。地面には何千もの死体が転がり、毎日、100人もの人が死んでいた。調査結果の報告書をまとめ、連邦議会での証言を終えたノーランは、戦後、核技術の軍事利用から離れ、放射線の医療での活用を強く望み、医師として残りの人生をがん治療に捧げた。

 原爆投下計画に関わった医師の葛藤の記録。

(原書房 2750円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議