第二話 立場的にありえない(2)マロが絡むと貴山は腑抜けに
携帯の向こうで、丹波が鼻で笑う気配がした。
「お前みたいなじゃじゃ馬、こっちから願い下げだ」
口が悪いところも、いつもと変わらない。
「それで、今日はどうしたの。電話なんてめずらしいじゃない」
涼子が訊ねると、丹波は声を潜め答えた。
「急ぎで相…
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