第二話 立場的にありえない(10)携帯を見るふりして時間稼ぎ
松井は妻との思い出話を、訥々と語る。ときに微笑み、ときにどこか痛むような顔をしながら、自分と妻の半生を振り返った。
なにかで、心が弱ったときは誰かに話を聞いてもらうといい、と読んだことがある。松井は涼子に話しているようで、誰にも語り掛けていないように見える。きっと言葉に…
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