第二話 立場的にあり得ない(22)桂木の瞳に動揺の色
桂木は一瞬、どうしてそんなことを訊くのか、というような顔をしたが、素直に答えた。
「豊岡陸だよ」
貴山の目が鋭くなる。それは、涼子にしかわからないほど、わずかなものだったが、たしかに貴山の目つきがかわった。この目で見たことはないが、獲物を見つけた獣はこんな目をする…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,177文字/全文1,317文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】