「迷える東欧」 三木幸治著
ロシア軍のウクライナ侵攻により、ウクライナの国民はポーランド、ハンガリー、ルーマニアなどの東欧諸国に避難したが、避難民が最も多かったのがポーランドだ。
18~60歳の男性は出国禁止なので、避難したのは女性と子どもだけだ。ポーランドは無条件で18カ月間の滞在資格を認めたが、2015年のシリア紛争の際は、中東、アフリカの難民の受け入れを拒否した。ポーランドはカトリック信者が多く、政権を握る右派与党「法と正義」(PiS)は、キリスト教徒であるウクライナ人は受け入れても、イスラム教徒が多いシリア難民は拒否したのだ。
新聞社の現地特派員が東欧の歴史と実情を伝えるルポルタージュ。
(毎日新聞出版 1760円)