「本間チョースケ超厳選。 飲むべきイタリアワイン103本!」本間チョースケ著
ワイン選びは難しい。奮発して高いワインを選んでみても渋いだけでおいしくなかったり、スーパーで買ったお手頃ワインが意外にも食事に合って大満足という経験が何度もある。そろそろ自分なりの間違いない一本を知っておきたいものだが……。
そんなときに見つけたのが、大ヒットワイン漫画「神の雫」に登場するワインオタク本間長介のモデルとなった著者による本書。銘柄の多さゆえ分かりにくいイタリアワインに特化し、2000円前後から高いものでも1万円でお釣りが来る103本を紹介している。
日本の酒蔵1600軒に対し、イタリアではワイン生産者が小規模も含めると10万軒以上というから驚かされる。そんな中から厳選されているとはいえ選ぶのに迷ってしまうが、解説を読んで決めた一本がトスカーナ州スベレートにあるトゥア・リータ社の「ロッソ・デイ・ノートリ」だ。
1984年、40代の夫婦が無名だったこの地の畑を購入してブドウ栽培を始め、1997年にはフラッグシップの「レディガッフィ」が世界的な影響力を持つ専門誌「ワインスペクテーター」誌で100点満点を獲得するというサクセスストーリーを成し遂げたワイナリーだという。レディガッフィは残念ながら1万円や2万円で買える代物ではないが、本書がすすめるロッソ・デイ・ノートリもそのポテンシャルを十分に体感できるという。しかもお値段は2970円とお手頃だ。
早速ネット通販で購入。緊張しながら開封してグラスに注いでみる。色は深い黒紫で、甘いジャムのような香りが漂う。そしておもむろに一口……ふくよかでコクがすごい! これは当たりだ! 103本、順番に試してみたくなったぞ。 <浩>
(NHK出版 1650円)