「自分を変える方法」ケイティ・ミルクマン著 櫻井祐子訳
2023年に入ってから続いている習慣が、1日1時間のウオーキングだ。コロナ禍で運動不足を痛感していたので何度もチャレンジしてきたが、いざ始めても三日坊主で終わったり、「来週からでいいかな……」と結局始めなかったりという体たらくだった。
そこで参考にしたのが世界的ベストセラーとなっている本書。著者はGoogleやホワイトハウスなどに行動変容のためのアドバイスを行っている行動科学者で、悪習を断ち目標を達成するための方法を伝授している。
まず、行動を変えるにはタイミングが大切だという。人には変化を嫌う性質があり古い習慣に足を引っ張られやすい。しかし、学生から社会人、独身者から既婚者など“ラベル”が変わったときには行動変容が起こりやすく、その行動も定着しやすい。ほかにも、引っ越しをしたときや誕生日、新年は行動変容を起こすタイミングに適しており、月初めや週初めなどもよいという。
そこで1月1日からウオーキングを始めてみたというわけだ。不思議なことに、何でもない日に始めた運動は簡単に挫折してきたが、ラベルが変わったタイミングで始めた運動はやめるのはもったいないという気持ちになり、結果継続できている。
ほかにも、快楽を味方につけるという方法も効いている。人には今すぐに得られる快楽を優先するという行動原理があるため、運動など効果がすぐには実感できない行動は続かない。
そこで快楽を断つのではなくアメとして使い、1週間ウオーキングできたら週末は快楽として好きなものを食べてよし、というルールを作ってみた。これが効果抜群。週末の快楽を目指して1週間頑張れるようになったぞ。
ほかの行動変容にも活用できそうだ。 〈浩〉
(ダイヤモンド社1760円)