「魚は粗がいちばん旨い」小泉武夫著

公開日: 更新日:

 五郎は、集団就職で福島から上京して以来40年間、築地市場のマグロ仲卸店に勤務。今では、マグロを解体する「捌き屋」の名人として、市場関係者でその名を知らぬ者はいない。

 しかし、長年温め続けてきた夢を実現するため、55歳で退職し、魚の粗だけを使った料理屋を開く準備を始める。漁師一家の末っ子で幼いころから魚を食べ続け、築地で働き始めてからも自炊で魚三昧の毎日を過ごしてきた五郎には「魚は粗がいちばん旨い」という信念がある。数カ月後、五郎は築地の裏通りに見つけた貸店舗で、ついに料理屋「粗屋」を開店する。

「イカ塩辛の赤造り」や「鰹の腹須の生姜焼き」「氷頭茶漬け」「鮃の骨酒」など、趣向を凝らした粗料理と粗にちなんだ酒が登場するグルメ小説。 

(新潮社 649円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…