「村の社会学」鳥越皓之著
「村の社会学」鳥越皓之著
人間にとって永遠のテーマである他者との関係、「人づきあい」の知恵を、日本社会の基礎となる「村」に学ぶテキスト。
村のようなコミュニティーは、日本に限らずほとんどの民族が持っている。しかし、なかでも日本の村(コミュニティー)は、長い歴史の中で工夫を重ね、風土に根差した固有の生活パターンを形成しており、それは「社会資本」ともいえるそうだ。
現代社会は個人の自由を尊重するあまり孤立・孤独化をもたらした。コミュニティーを強化することは孤立化だけにとどまらず多くのマイナス面を防ぐとともに、「人間性」という人間固有の概念の実践においても大きな役割を果たしている。
「他者への配慮」「つとめ」など村の仕組みを社会学的視点から分析し、培われたコミュニティーの知恵を解説。 (筑摩書房 902円)