「口福のレシピ」原田ひ香著
「口福のレシピ」原田ひ香著
留希子は、在宅で仕事をしながら、毎日、食事の写真とそのレシピをSNSにアップ。手間いらずでおいしそうなレシピが好評でフォロワーは1万を超える。実は留希子の実家は名門料理学校なのだが、後を継ぐのが嫌で、就職とともに家を出て以来、帰っていない。
そんなある日、料理学校の理事長を務める坂崎から連絡が入り、会うことに。坂崎は学校の経営が行き詰まっていると打ち明け、留希子に戻ってきてほしいと頭を下げるが、留希子にはその気はない。
さかのぼって昭和2年、品川料理教習所で女中として働くしずえは昼食に出すためにセロリをどう料理するか悩んでいた。
2つの時代を行き来しながら、誰かを喜ばすために料理と向き合う2人の女性を描く家族小説。
(小学館 792円)