「たすけ鍼天神参り」山本一力著
「たすけ鍼天神参り」山本一力著
深川で鍼灸治療院を営む染谷(せんこく)の娘で辰巳芸者のいまりは、芸妓をやめて父の仕事を継ごうと心に決めた。父に「染谷先生の鍼は世のひとの身体から痛みや苦しさを取り除いてくれる、たすけ鍼です」と言うと、染谷は肝をくくって娘を弟子として受け入れた。
いまりの武術稽古修了の日、兄、勘四郎と、染谷の親友、昭年の息子重太郎と娘のさよりの3人が、茶屋で祝ってくれることに。師の宋田兆と川べりを歩いていると、木陰から出てきた男がぶつかってきた。いまりが一撃で2人を倒したのを見て、宋田兆は言った。
「宋田兆流護身術の免許を授けようぞ」
女鍼師が活躍する時代小説の最新作。
(朝日新聞出版 1650円)