(8)清九郎の隣には女と赤子が
家に入ってお人柄ががらりと変わるなんてこともなくお優しいままで、己の好物を夕餉に毎日所望するその子ども振りもお可愛らしい。気に入れば一直線のこの性分のおかげで、己は清九郎に通ってもらえたのだと思うと嬉しかった。
そうして、ともに暮らし始めて一年が経った頃である。
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