「子どもへの性加害」斉藤章佳著
「子どもへの性加害」斉藤章佳著
子どもへの性加害を繰り返す人は、子どもたちを物色し、ターゲットを定めると言葉巧みに誘い、根気よくコミュニケーションを重ね、信頼関係を築いた上で卑劣な性加害に及ぶ。
この性的な行為を目的に子どもを手なずけることを「グルーミング」と呼ぶ。本書は、ソーシャルワーカーとして多くの小児性犯罪者と関わってきた著者が、その巧妙なグルーミングの手口や、異様に再犯率が高い彼らの病的なまでの執着の裏にある背景や事情を解説したテキストだ。
ゲームアプリを通じて近づいた他校の児童に性加害を繰り返した小学校教諭など、実際の例を紹介しながら、加害者が何を考え、どのような手口で子どもたちに近づくのかを詳述。子どもたちを守るために大人や社会はどうすべきかを提言する。
(幻冬舎 1078円)