「なぜ、それが無罪なのか!?」伊藤和子著
2017年の性犯罪に関する刑法の改正後も、性暴力事件に関わったとされる大学生が不起訴になったり、19歳の娘に性行為をした実父に無罪判決が言い渡されるなど、理不尽なニュースが相次いでいる。
財務大臣が「セクハラ罪という罪はない」などと公言し、セクハラ禁止規定を持たない日本は世界から異端視されているという。
本書は、弁護士の著者が、社会に衝撃を与えた性犯罪裁判の判決を検証する一方で、レイプ事件の多くが不起訴になる背景などを解説しながら、性犯罪に関して遅れた日本の司法の現状を紹介。性犯罪の被害者をバッシングして沈黙させる一方で、加害者に寛大な日本社会の現実と、近年、声を上げ始めた女性たちの変化を報告する。
(ディスカヴァー・トゥエンティワン 1000円+税)