「上野 アンダーグラウンド」本橋信宏著
「上野 アンダーグラウンド」本橋信宏著
博物館や美術館が密集し、日本一の文化エリアであるとともに、隣り合わせるようにラブホテルや風俗店が密集、さらにホームレスなど社会からはじかれた人々が、どこからともなく集まってくる。そんなカオスの街・上野に生きる人々を長期取材したルポルタージュ。
世界遺産の国立西洋美術館は、「葵部落」と呼ばれた貧民窟の跡地に立っているという。そんな歴史を振り返りつつ、まずは街を散策しながら、上野公園に立つ有名な西郷隆盛像の謎などを紹介。
ほかにも、本番系中国エステ店が占拠する風俗マンションへの潜入ルポや、江戸時代の陰間茶屋以来のゲイタウンとしての顔、そして出会い系喫茶や宝石街で出会った女性たち、さらにアメ横の今昔など。
体を張った取材で上野という街の深部に迫る。 (新潮社 990円)