(14)津与さんには世話になった
重三郎が呼び止めた貸本屋、前の方からも手招きされたようで、大きな荷を担いだまま右往左往している。
「こっちこっち」
女の声がして、貸本屋はそっちへ歩をやりかける。
「与八っあん!」
重三郎に大声で名指しされ回れ右、たちまち荷はぐらぐら、均衡がとれずに…
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