「灯台へ」ヴァージニア・ウルフ著、鴻巣友季子訳

公開日: 更新日:

「灯台へ」ヴァージニア・ウルフ著、鴻巣友季子訳

 作品ごとに実験的な手法を取り入れ、文学史を塗り替えてきた20世紀の女性作家の代表作のひとつ。とある一家の1日とその10年後の1日、その2日間を描く。

 哲学者のラムジー一家は、スコットランドのスカイ島の別荘に滞在。夫人は、8人の子どもたちの世話に加え、夫の友人のバンクスや、夫を崇拝する後輩のタンズリー、画家のリリーら大勢の滞在客らにも目配りをしなければならない。

 一家は、まだ幼い末っ子のジェイムズのたっての希望で翌日に海を渡り、近くの灯台がある小島に行く予定だ。

 しかし、ラムジーは楽しみにするジェイムズの希望を砕くように明日は天気が崩れるので無理だろうと容赦ないことばを放つ。そんな直截な夫の物言いが夫人は気に入らない。 (新潮社 935円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 2

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 3

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  4. 4

    楽天・田中将大は今や球団の「厄介者」…大幅負け越し&パワハラ関与疑惑に年俸2億円超ダウン

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  2. 7

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇