「2030-2040年日本の土地と住宅」野澤千絵著
「2030-2040年日本の土地と住宅」野澤千絵著
都市部ではタワーマンションの建設ラッシュ、郊外では新規住宅地が開発される一方で、空き家も増加。にもかかわらず、なぜ住宅は高騰し、入手困難になっているのか。
再開発によるタワーマンションが高コスト化する背景には、都市再開発法に基づく市街地再開発事業の仕組みがあるという。また、50年、100年後にこうした建物が老朽化・陳腐化し再々開発する場合、合意形成がますます困難になると都市政策の専門家である著者は指摘する。
本書は、こうした現在の住宅事情を踏まえ、これからの都市政策の在り方を提言している。さらに国勢調査データを活用して、首都圏で今後、住宅の流通量が増える街を推計してランキング化した住宅購入予定者必見のテキストだ。
(中央公論新社 1100円)