「マイトガイは死なず」小林旭著
「マイトガイは死なず」小林旭著
日活の黄金時代に、小林旭はマイトガイと呼ばれて、タフガイ・石原裕次郎と人気を二分する大スターとなった。
小林がまだ大部屋俳優だった頃、転機をもたらしたのは、無国籍アクション「渡り鳥」と「流れ者」シリーズの原形となる「南国土佐を後にして」(斎藤武市監督)の大ヒットだった。地方の映画館ではフィルムが足りないので、封切り日に4、5館でローテーションを組んで上映した。予想外のヒットに日活は続編「ギターを持った渡り鳥」(1959年・斎藤武市監督)を製作、その大成功で、小林旭は石原裕次郎と並ぶ二枚看板となる。
ギターを持つという設定にしたのは、原案の原健三郎だった。ハリウッドの西部劇の流れ者をモデルにしたという。デビュー70周年の小林旭の回顧録。
(文藝春秋 2420円)