映画シン・ゴジラが踏み潰した 集団的自衛権の欺瞞と現実

公開日: 更新日:

自衛隊の出動名目はあくまで有害鳥獣駆除

「エンドロールには“協力”として小池百合子都知事など複数の政治家の名前がありましたが、実際、彼女をほうふつとさせる女性防衛大臣が登場するなど、相当現実を意識した作りになっています」(前田氏)

 ゴジラといえば、54年版の第1作では“核の申し子”として、その破壊力を描くことで反核テーマを訴えた骨太な一面もある。

「そうした社会派の側面も継承していて、たとえば自衛隊はあくまで有害鳥獣駆除を名目として出動するし、最後の最後まで市街地での武器の使用を躊躇したりします。また在日米軍に頼った途端、ここぞとばかりに米国に国の主権を奪われかける場面も。日米安保や多国籍軍がいざという時、心強い味方になってくれると信じていた人にはショックな映画です」(前田氏)

 新生ゴジラは、東京の街と共に欺瞞だらけの集団的自衛権も踏み潰しているようだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造